Mさんのこと


Mさんとは小、中、高、ずっと一緒だった。
有名な美術家の両親のもとで育ち、有名なお医者さまを叔父にもつ、いっこ上の先輩。
美人で、スタイルも良くて、聡明で、センスも良くって、スポーツもできて、正義漢で、、、
何故かこういう人が、ごくごくたまに居るものです。

始めてMさんと話した時のことをよく覚えている。
中1の夏だった。
僕は始めて女の子と『付き合う』ことになった。

当時女子ハンドボール部だったMさんに下校中に呼び止められた。
Mさんは早足に近寄ってきて僕を見上げて言った。

『あんた◯◯と付き合っとるんのけな?』

僕はなんとなく怒られるのかと思ったけど『はい。』と答えた。

『◯◯のこと好きなんか?』

ひるみながらも僕は答えた。

『好きです。』

Mさんが弾けるみたいに笑いながら言った。

『あんた、かっこいいよ!』

そしてまたひとしきり笑って

『握手して。』

といって小さな手を差し出してきた。
僕はかなり緊張したけど、Mさんの手を握った。
Mさんはその手を強く握り返して、またひとしきり笑って、
『頑張りない!』って言って去って行った。

軽快に跳ねるみたいなMさん独特の歩行を見ると、
僕はいまだにその時の後ろ姿を思い出します。


Mさんに27年ぶりに褒められた。
僕が愛用しているフランス製のライターをMさんが褒めてくれた。

『私もこれ好きなの。なかなか売ってないな、これ。』

『そうなんですよ。』

実は僕も他のを使うのが嫌で、わざわざ取り寄せたものだった。
もう数年これしか使ってないのだけど、いままで気にとめた人は一人もいなかった。
僕はその場でライターをMさんにプレゼントした。
Mさんはとても喜んでくれた。

いくつになっても美しい先輩に褒められるのは嬉しいことです。

ただ一つ残念だったこと。
Mさんの写真、撮るの忘れた。

無念です。



Mさんのこと
Mさんがあっという間に作ってくれた『カルビア』WELCOMEボード 天は何物与えるおつもり???



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この記事へのコメント
そしてなによりMさんは中身がオヤジってこと!
それが売りです^^

キレイで可愛くて花があって。。。。絶対同性からはうとまれるタイプ!
それを救っているのは独自のオヤジ性質だと思ってます♪

「Mのこと可愛いって○○君が言ってたよ~」と一応言われ慣れているであろうMに言うと
「気持ちわり~んやさ、アイツ!あたしが性格悪いって知って
言っとるんか?」って笑

ま、照れ隠しなんだけどそんなとこも可愛い大切な人です^^
Posted by カル at 2011年08月16日 23:50
 
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